心不全

どんな病気?

図1. 心不全の主な原因疾患人間が生きていくためには、体の各部分に十分な酸素と栄養が行きわたることが必要です。酸素と栄養を運ぶのが血液で、その血液を循環させるポンプの働きをするのが心臓です。ポンプの働きが落ちると、心臓が送り出す血液の量は少なくなり全身の色々な臓器に負担がかかり症状が出現します。この「心臓の働きが不十分な結果、起きた体の状態」が心不全です。
心不全の種類や程度は様々です。それは、心不全をきたす原因は一つではないからです(図1)。

心筋梗塞や心臓弁膜症など、あらゆる心臓病はもちろん、例えば高血圧で長年心臓に負担がかかっている場合などでも心不全の原因となります。症状も様々で、「疲れやすい」「動悸がする」「足がむくむ」というものから、ひどくなると肺に血液のうっ滞を来たし、「少し動いただけで息が切れる」「夜、横になると呼吸が苦しくて寝ていられない」程になることもあります(図2)。

図2. 心不全になるとからだはどうなる?

心不全は現在、欧米では最も多い疾患で、1,000人当たり7.2人とされています。生活習慣の欧米化が進む日本でも、ほぼ同程度に迫っていると思われます。このうちの約50%が、狭心症や心筋梗塞が原因となっています。

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診断方法は?

症状や経過などの問診、呼吸音・心音の聴取などが基本ですが、体の中の酸素量の測定や胸部レントゲン撮影による肺の血液のうっ滞具合により診断や重症度がある程度判ります。心不全は色々な疾患が元で起こりますので、その原因を調べることは重要であり、その後の治療法にも大きく関わってきます。その意味で重要な検査が心電図や心臓超音波検査です。どちらも比較的簡易な検査で苦痛もありません。心電図では狭心症や心筋梗塞などの心臓の血流不全から起こる病気や不整脈、心肥大などの心臓の負担具合が判ります。また心臓超音波検査では心臓の収縮具合や心臓弁の逆流・狭窄などの弁膜症、全身の血液のうっ滞の程度が判断できます。これらの検査所見を元に治療方法が決定されます。

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治療法は?

安定した状態から急激に悪化する場合を「急性心不全」、それなりに体全体のバランスがとれ、状態が安定している場合を「慢性心不全」といいます。それぞれ原因となる疾患や重症度を見極め、できるだけ速やかな治療が必要です。疾患によっては1秒を争う事態もしばしば起こります。主な治療法は以下のとおりです。

1. 安静・・・ まずは心臓を休める為に安静が必要になります。また、酸素が十分でない場合が多いので酸素投与も効果的です。
2. 薬物治療・・・ 飲み薬や点滴・注射など様々な薬を用います。代表的なものとしては、全身にうっ滞した血液を尿として排出させる利尿薬や、弱った心臓を助ける強心剤、循環を改善する血管拡張剤などです。心臓を保護する効果のある血圧降下剤などもよく使います。
3. 手術治療・・・ 狭心症や心筋梗塞などの心臓の血管の病気では、内科的な心臓カテーテルを用いた検査・手術が必要になります。また、内科的な手術が困難な狭心症や、心臓弁膜症では外科的な手術が必要になる場合もあります。
4. 呼吸・循環管理・・・ 重症の心不全では人工呼吸器による呼吸管理や、心臓を補助する装置(大動脈バルーンパンピング)を体内に挿入することもあります。重症例では集中治療室での厳重な加療が必要になります。
5. 心臓移植・・・ 心臓の筋肉が拡張して収縮できなくなる特殊な疾患などでは心臓移植しか治療法がない場合もあります。但し、日本の現状ではまだ制限の厳しい方法です。

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