肺高血圧症

どんな病気?

肺高血圧症は、心臓の右室から肺へつながる肺動脈といわれる部分の血圧が高くなる病気です。原因としては、特に原因無く肺高血圧である場合(原発性)と、別の病気を持ち、その結果として肺高血圧になる場合(続発性)に大別されます。一般に「 高血圧」といわれる病状とは大きく異なります。肺動脈を通る血圧は全身の血圧より低く、全身の血圧の正常値が約120/80mmHgであるのに対し、肺動脈の血圧は25/15mmHgしかありません。肺高血圧症は、稀な病気であり、これまでは、予後不良の疾患と言われてきました。しかし現在、医学の進歩により肺高血圧の原因解明もされつつあり、治療薬の開発が特に進んでいる分野です。希望を持って治療できる疾患になってきたといえます。そのため、早期発見、早期治療がより重要になってきています。

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診断方法

自覚症状は、息切れ、意識消失発作、下肢のむくみなどがあります。胸のレントゲン写真、心電図でも疑うことは可能です。膠原病が基礎疾患として存在することも多く、自己抗体など血液検査による特殊検査が必要です。肺高血圧症が心臓への負荷に影響しているかを判定するのに、血液検査の中でBNP(脳性利尿ペプチド)という指標が重症度や治療効果判定に有用です。肺機能検査で呼吸状態を評価し、心臓超音波検査で、肺高血圧の有無、重症度を判定します。肺換気・血流シンチで肺高血圧症の病態を確認し、造影CTにより、肺動脈内の血栓の有無や部位を診断します。最終的には、正確な肺動脈圧を測定したり、冠動脈疾患、その他の心臓疾患が原因で肺高血圧になっていることを除外したりする目的で、心臓カテーテル検査を行います。睡眠時無呼吸症候群が原因の場合もありますので、簡易スクリーニングによる睡眠中の無呼吸の有無の確認もします。

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治療法

治療法は、まず、血管拡張を目的とした内服治療になります。一口に内服治療といっても、肺高血圧症に使用する薬は、1日に1万円以上もするような薬もあるため、通常、身体障害者もしくは特定疾患を申請するような手続きをする必要があります。循環器系全体の中で、最近特にこの疾患に対する治療薬の開発は目覚しく、効果のある患者さんが増えてきました。現状では、トラクリア(エンドセリン受容体拮抗薬)、レバチオ(PDE-5阻害薬)、ベラサスLA(プロスタグランジンI2誘導体製剤)などが主な内服薬で、どれも血管拡張作用ですが、その作用機序が異なるため併用して用いても効果が期待できます。その他にも、病状により、抗凝固薬、利尿薬、カルシウム拮抗薬を使用する場合もあります。それらでも十分な効果を認めない場合、フローランというプロスタサイクリン持続静注療法を行う場合もあります。前述したように、今後も次々と新たな治療薬が保険適応上、認められる可能性があります。薬物療法以外にも、在宅酸素療法は、日常生活の呼吸困難を軽減し、有用です。特殊な場合、外科的治療として、肺動脈血栓内膜摘除術、最終手段としては、肺移植があります。また、続発性、すなわち基礎疾患が別に存在する場合、基礎疾患の治療と並行して肺高血圧の治療を行うことが重要です。

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