名古屋大学循環器内科

教授ご挨拶

教授ご挨拶

 名古屋大学循環器内科の室原と申します。このホームページをご覧いただき、ありがとうございます。名古屋大学・循環器内科学教室は、平成12年の国立大学の大学院重点化(講座化)により、まず「医学部」という呼称から、「大学院医学系研究科」と名称を変えました。この時に、旧第一内科・第二内科・第三内科が統合され、新たな「病態内科学講座」が構築されました。これは、それまでの一般の方には分かり難い「ナンバー内科呼称」を廃止し、専門臓器別の6講座を作ることにもなり、その中の1つが、「循環器内科学分野」(当初2年間は、「器官制御内科学」)となりました。分かり難い話ですみません。


 さて、循環器内科は心臓・血管病の患者さんの診断と治療を行う内科の一部門です。しかしながら、「疾病の予防」のことを考えると、その前の段階である、高血圧や喫煙(禁煙治療)、脂質異常症、糖尿病の管理なども広く行います。これらの病気をほっておくと、重篤な心血管病に繫がるからです。名古屋大学循環器内科は、診療・研究・教育に情熱を持った、有能で若き医師・研究者によって構成されています。臨床分野では、虚血性心疾患(心筋梗塞や不安定狭心症)の急性期治療を始めとして、安定狭心症の診断・治療(PCI)、不整脈の薬物・非薬物治療(カテーテルアブレーション治療)、心筋症や心筋炎・心臓弁膜症の診断治療、心臓外科ともタイアップしながら、重症慢性心不全の管理・心臓移植患者の登録などを行っています。さらに最近では、肺高血圧症の診断と治療にも積極的に取り組んでいます。


 研究部門ではこれら臨床に関連した研究以外に、血管新生基礎研究と血管再生療法、脂肪・筋組織由来サイトカイン、糖尿病性心筋症、慢性心不全の分子病態と治療などに関する先端的研究も行っています。これらに伴い、名古屋大学の基礎医学講座、国内外の多くの研究機関との研究交流も活発に行っており、総合的な視野に立った循環器臨床と研究部門が形成されています。常時5〜6名の海外留学生を主に米国・欧州に送り出しており、彼らの新しい知識と経験がさらに教室の研究を活性化しています。


 教育面では名古屋大学本来の卒後臨床研修システムを継続し、循環器内科の専門技術を十分習得した上で、卒業後5年程度で大学に帰局し研究を行うという体制を築いています。また若手の臨床医にはいつも、「医学は科学という命題のもと、一生に一度は是非とも研究を体験して後世に何か情報を残すように」と伝えています。


 以上のような体制とmotivation のもと、名古屋大学循環器内科はますます発展を遂げるものと期待しています。

一般の方へ